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第22試合:日刊スポーツ新聞社創立50周年記念特別試合 INOKI FINAL COUNT DOWN 5th アントニオ猪木 vs ビッグバン・ベイダー 東京ドーム(東京) 1996/1/4

新日本プロレスとはアントニオ猪木への膨大な注釈である。

 

プロレス氷河期を乗り超え、『新日本プロレス』は新しく生まれ変わりました。いつしかファン層は大きく入れ替わり、アントニオ猪木の存在を知る人はほとんどいなくなりました。今の新日本ファンにとってアントニオ猪木新日本プロレスを作った人位の認識しかないでしょうね。

仕方ありません。当たり前ですが、現役選手がすべてです。知りもしないレスラーのファンなんて言うほうがおかしいのです……。しかし、僕のような昭和最後の新日ファンにとってアントニオ猪木は特別であります。

新日本ワールドの登場とともに新日本にドップリ浸かった僕ですが、ワールド登場以前から新日ファンではありました。実際、この試合も若いころに見ています(ビデオかテレビかはわかりません)

ベイダーに強烈なジャーマンを喰らった我らがアントン!本当に死んだかと思いました。しかし、アントンは生きていました。フラフラになりながらもアントンは立ち上がり、強敵ベイダーを打ち倒したのです!

しかし、僕が口酸っぱくこの試合の感動を伝えようとしても、アントニオ猪木を知らないファンにはわからないでしょう。なぜならアントニオ猪木思い入れがないからです。仕方ないことです、当然でしょう。

 

さて、新日本プロレスが氷河期を乗り越える前後、プロレス界に大きなパラダイムシフトが起こります。

高橋本に代表される暴露本によって、いわゆるブックの存在が明るみになりました。僕の意見としては総合格闘技によるダメージよりもブックの存在が明るみになったことのダメージの方が大きかったと思います。

この時代以降、プロレスは見るモノのではなく読むモノに変わります。もちろんブックの存在を知っている人は昔からいましたから、プロレスを読みモノとして楽しむ人はいました。でも、今ほど多くいませんでした。

いまやプロレスがブックの存在ありきで楽しむ時代となっています。会社の意向、ストーリーの繋がり、スキャンダルや選手の引き抜き事情などを考慮しながら勝敗を読みとる時代に変わり、強い方が勝つんだよ!と呑気に言ってられない時代にななっています。

僕はそこに一抹の寂しさを感じるのです。この一抹の寂しさを、あえて、あえてですが、恋愛経験皆無の僕が非常に分かり辛い恋愛で例えてみましょう。

この世界に愛がなんて存在しないと思うと寂し過ぎるから、この世界に愛が満ち溢れているって思うようにしているんだ。男と女が愛し合うなんて不可能だって分かってるけど、それだと切なすぎるから、僕と愛し合ってる振りをして欲しいんだ。すべてが終わるその日まで(なんか例えじゃないな……)

良くも悪くも純粋な恋愛が成立しなくなった現代、わかっているけどわかることが悲しいからわからない振りをするという一周回った高度な恋愛以外成立しなくなりました。わかっちゃいるけどやめられないみたいなお気楽さすらありません。

今のプロレスも似たようなトコがあります。今や分かった上で楽しむ派と僕のような分かっているけど必死になってわからない振りをしている派がいるように思います。(後者は僕くらいかもしれませんが……)

プロレスがいつまでたってもサブカル止まり、何時まで経ってもメジャーになれないのも、楽しみ方の敷居が高いことにあると思います。

 

前置きが長くなりました。話の本題に入りましょう。ここからは暗い話はナシ!

『萌える闘魂』アントニオ猪木アントンの萌えポイントを解説していきましょう!まあ、僕しか感じてないであろう萌えポイントですがね(笑)

我らがアントニオ猪木、全盛期の見る影なし!まさに衰えた老レスラー、歴戦の闘士も寄る年波には勝てず、身体は痩せ、筋肉に張りがまったくありません。

この日の相手はビッグバン・ベイダー、現役バリバリの強豪レスラーです。一目見るだけで分かる体格差、身体の厚みは二倍、背丈も頭ふたつ分くらい大きいです。

どう見ても我らがアントンに勝ち目はありません。しかし、諦めるわけにはいきません。不可能を可能にするのがアントニオ猪木だからです。

 

試合が始まりますが、我がアントン、初っ端からベイダーに張り手を喰らってリング外へ!しかし、すぐさまリングに上がって手拍子。さすがカリスマ、手拍子ひとつでお客様も盛り上がってきます。 

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 我らがアントン、ここからベイダーにボコボコにされます。もう一方的です。『風車の理論』なんていってられません。一方的にボコボコにされます。もちろん、アントンも反撃はするのですが、さっぱりベイダーに通じません。ベイダーのやりたい放題、まさにベイダータイムであります!

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 場外乱闘~エプロンサイドでラリアットを喰らうも、アントン、ここから必死の反撃!ベイダーにチョークをキメにいきます。表情がすごく萌えます(笑)男の萌えポイントです!

そんな起死回生を狙ったチョークスリーパーもベイダーのサミングひとつであっさり終了です(悲)そして、我らがアントンに対してベイダーがとんでもない技を仕掛けてきます。

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 死んだと思いました……。でも、生きてました(笑)さすが、アントンです!

普通死ぬだろうという状態であっても死なない生命力がアントンの魅力であり、ひいては新日本の魅力でもあります。夭折する天才に憧れるのもわかりますが、死にそうでも死なない人間の方がずっと魅力的であることを僕はアントニオ猪木から知ったのであります。ここは大きな萌えポイント、死にそうで死なないってのは非常に大きな萌えポイントでありますぞ!

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 いくらアントンでも、あのジャーマン喰らってダメージがないわけではありません。なんか死にそうな顔しています。事実、このあとのアントンはもうなんだかフラフラしています。お客様もザワザワしてますし、リング外にいるカメラマンもレフリーっぽい人も心配してるみたいです……。

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  ベイダーも百戦錬磨のプロレスラーです。ヤバい技をやっちまった自覚はあります(笑)このあと花道にてベイダーがアントンに対して「ガンバッテー」とエールを送りながら、ナックルを喰らわせる微笑ましい光景が繰り広げられます。アントンからしたらたまったもんじゃないんですけどね……。

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 ベイダーのエールに答えたのかどうかわかりませんが、ともかくアントンが反撃開始!ベイダーにニードロップを喰らわせます!アントンの技といえば、卍固めやら延髄切りが有名ですが、アントンのニードロップも素敵です!

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 アントン、怒りの椅子攻撃!反則攻撃ですがお客様からのブーイングは一切なし! それどころか猪木頑張れと声援が送られています。お客様もアントニオ猪木は勝つ為ならなんでもすることを知っているようで(笑)椅子攻撃してブーイングが起こらないなんて悩んでるなんて底が浅いですぞ。アントンクラスになるとなにやっても声援がきます(笑) 

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  なんか色々あってアントンがベイダーの腕折りを仕掛けます。この腕折りの時の表情を永田さんがパクッてるみたいなんですが、永田さんの表情は見る人を半笑いにさせるのですが、さすがはアントン、倍賞美津子仕込みは違います。かっこいい!ここの表情、男の萌えポイントです。

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 腕折りを返された後、我らがアントン、ベイダーからの猛攻撃を喰らいます。強烈なボディスラムを二発も受けてからのベイダーの体固めを我らがアントン、肩をチョコンと上げて返すんですが、ここが男の萌えポイント

固め技を両足を振り上げて、ド派手に返す風潮が蔓延る中、肩を上げるだけで返すというダメージ表現が好きなんですよねえ。まあ、アントンが本気でシンドイだけって話もありますが(笑)

 

『画像サルベージできず!』

 

試合は相変わらずベイダーペース。ドラゴンスリーパー、ボディスラムからのボディプレスです。アントン、死にそう……。ちなみにベイダーの体重は160kg近いです。そんなもんが降ってきたら身体にダメージがあるのが普通なんです、アントン危うしです!

このままカウントを始めてしまったレフリー、しかし、さすがアントン。またもや肩を上げてベイダーを返します。ここでお客様も大盛り上がり!しかし、前回よりも心なしかアントンの肩の上げ方が弱々しいような……。

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 出ました、ベイダーのムーンサルト!受けたらヤバくね?死ぬんじゃね?避けるだろうと思ってたら……。

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 普通に受けます(笑)避ける体力も残ってないのか、単なる意地なのかわかりませんが、アントンがベイダーのムーンサルトを受けます。

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 それからアントンがベイダーのフォールを返すんですが、この動きが非常に弱々しいです。実はこの弱々しい返し方、男の萌えポイントです!ダメージ表現ですよね、技を喰らって段々弱っていく様をフォールの返しで表現するのはすごく萌えます!まあ、本当にしんどかったのかもしれませんが(笑)

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 返した直後のアントンの様子。はい、死にそうです。こんなことになるなら避ければいいのにさあ、どうせプロレスなんだからさあ……と思うでしょうが、違います!プロレスだから受けるのです!いまなお、新日本プロレスの底流に流れる『風車の理論』の提唱者&体現者であるアントンだからこそ、ベイダーのムーンサルトを受けるんです!さすがアントンと思わせるシーンですね、お客様も大喜びであります!

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 はい、それでもなお立ち上がった僕らのアントン。あれだけやられてもなお立ち上がり、ベイダーと戦います。この過剰な生命力こそ新日本プロレスの魅力です(断言)

さて、ここで、僕の隠れ男の萌えポイントが出てきます。ベイダーにコーナーポストへ振られるアントンなんですが、全力疾走でコーナーポストに向かいます(笑)明らかに途中で倒れた方が体力的に楽なのに全力疾走!プロレスゆえの過酷さであります。このコーナーポストに全力疾走する姿に萌えを感じるのが僕だけでしょうか?(まぁ僕だけでしょうね) 

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 一瞬のスキをついての腕ひしぎをキメるアントン。きっちりキマッてねえんじゃね?とか無粋なコト言ってはいけません!がっちりキマッてます(怒)

さすがのベイダーも関節技には敵いません。ベイダーがタップして試合終了、僕らのアントンが逆転で勝利であります(歓喜

 

 さて、いかがったでしょうか?この試合、有名な試合でして棚橋選手や真壁選手がベストバウトに上げる試合です。ですが、アントンを知らない新日ファンにとっては面白くない試合かもしれません。大した技も出ませんしね。

結局、面白いか面白くないかの差はアントンへの思い入れがあるかないかなんでしょうね。レスラーに思い入れがあるかないか、あるいは好きか嫌いかで、試合も見方がまるで違ったモノになるんでしょうね。

 

一回はアントンのこと取り上げないとイカンなと思ったんで、この試合を取り上げました。 

今やだれもがブックの存在を知っています。プロレスは段取りのあるショーであるとみんなが知っています。八百長とまではいいませんが、勝敗だってあらかじめ決まっています。

それでもなお、僕はプロレスを見るのはなぜなんでしょうね?理屈じゃ収まらないのかもしれません。好きなレスラーが紡ぐ物語を見守るのが好きなのかもしれないし、単なるショーとして楽しんでるだけかもしれない。

結論を探り探りブログを書いてたんですが、結局、結論が出ずに終わってしまいました。(笑)はは、そういう時もありますよね。ごめんなさい……。

 

ちなみに、この試合、なんの因果かミスター高橋がレフリーやってるんですね。今なにしてんだろ、ミスター高橋……?