第40試合:2016年11月7日 WRESTLE KINGDOM 11 in TOKYO DOME 第2弾対戦カード発表会見 カード発表会見
さてさて、反響の大きかったこの会見、色々とネットを調べてみると内藤の圧勝というのが大方の見方のようです。僕もこの見方に賛成です。ただ、内藤の発言は正論だ!だとか実に見事だった!と感想だけを述べたトコロで芸がない。
そこで、今回の会見に関して僕なりの妄想を述べてみましょう。あくまで、僕個人の妄想ですので、その辺りは悪しからずということで……。
①棚橋流『一撃必殺式謝罪型圧殺法』とは?
オマエはなにを言ってるんだ(笑)まあ、ちょっと待ってください!ここからですね、棚橋流喧嘩必勝法について解説してみようってことなんです。
一部では有名かもしれませんが、棚橋選手は喧嘩に負けたことがありませんでした(笑)もちろん、ここでいう喧嘩は単なる暴力沙汰という意味ではありません。マイク合戦、インタビュー、会見などいわゆる『言葉のプロレス』です。
実は棚橋選手の『言葉のプロレス』には、ある類似した構造が見られます。これが棚橋流『一撃必殺式謝罪型圧殺法』と僕が勝手に呼んでいる構造です。それではこの構造に関して分析を試みましょう。
この構造は3段階の工程に分かれています。
工程①相手に対して厳しい言葉を投げつける
工程②相手に対して謝罪、配慮、あるいは理解を示す態度を取る
工程③相手をおだてる、または、なだめる素振りをしつつも自分の主張を押し通す
少しわかりにくいかもしれませんね。かみ砕いてみましょう。
工程①そんなんだから、キミはダメなんだ!!
工程②ごめん……言い過ぎてしまった……
工程③確かに言い過ぎてしまったよ。でもね、言い過ぎたのはキミの未来を期待してのことなんだ!だから、キミは僕の意見を取り入れて未来へ向けて羽ばたこうじゃないか!
ここまでくるとなんとなくですが輪郭が見えてくると思います。もしかしたら、実際に経験された方もいらっしゃるかもしれませんね
一例をとりあげてみましょう。
以前に記事にしたこともある棚橋弘至と内藤哲也のインタビューです。一見すると心優しい先輩レスラーがうだつの上がらない後輩レスラーにアドヴァイスを送るハートウォーミングなインタビューに思えます。
しかし、先ほど述べた棚橋流『一撃必殺式謝罪型圧殺法』の3段階工程を頭に入れながら、インタビューを読み直してみましょう。別の見方が見えてくると思います。
要は先輩レスラーが後輩レスラーを潰しにかかってるわけです。後輩レスラーは必死に抵抗するものの、最後は何もいえなくなり無残な敗北を喫するわけです。
棚橋流『一撃必殺式謝罪型圧殺法』の3段階工程とは、相手に強烈な一撃を喰らわせると、素早く相手方に立ち位置を変更、味方であることを匂わせながら自分の主張を相手に認めさせるとうことになります。
まあ、ヤクザと一緒です(笑)ベビーフェイスの体面を維持しつつも自分の主張を押し通す、実に賢いやり方です。そして、棚橋選手は事あるごとにこの3段階工程を踏襲しています。
ここで、もうひとつ例を取り上げてみましょう。
棚橋選手がDDTプロレスリングと一悶着を起こした例のアレです。まあ、大した事件でもないんですが、詳しく知りたい方は『大家帝国 2015』でググれば大体のあらましが見えてきます。
とりあえず、この一件を棚橋流『一撃必殺式謝罪型圧殺法』の3段階工程でザッと説明してみましょう。
工程①『横一線に見るな!』発言
工程②HARASHIMA選手への謝罪
工程③DDTのリング上でパワーポイントによるプレゼンを行い、DDTファンと一緒に『愛してまーす!』の大合唱
このようなカタチになります。
それでは、各工程での相手方の反応を考察しましょう。
工程①棚橋選手の一撃によりDDT側はなすすべなく右往左往の状態。
工程②棚橋選手の謝罪によりDDT側は一安心
工程③棚橋選手をDDT側に取り込んだと舞い上がり、棚橋選手と一緒にハッピーエンド。
ちょろいもんですね。これでカタチ的には落とし前がついた状態になります(これとは別に飯伏幸太選手の一件があり、現在でも新日とDDTは絶縁状態にあります)
本来はですね、『バカいっっちゃぁいけませんよ!』とブチ切れかまさないかん状況なんですよ、これは。棚橋選手がやったことは一方的に相手をぶん殴って一方的に謝っただけです。本来ならDDT側が棚橋選手の胸倉掴んで『謝って済むと問題か!』と怒鳴りつけなきゃいかんのです。喧嘩売られて買わない奴は舐められて当然です!
ところがどっこい、工程①の段階で主導権を握った棚橋選手が一度もDDT側に主導権を奪われことなく落とし前をつけるカタチになりました。
DDT側はただ棚橋選手の手のひらで踊っていだけ。救いようがないのは、この一件に感動するDDTファンが多数いた事実です。
僕は新日本プロレス信者ですから、格の違いといいましょうか、棚橋選手の喧嘩慣れしたやり方に息を巻いたモノです。まあ、楽屋裏では色々あったみたいなんですが、ファンにとっちゃリングの上がすべてですからね。
さてさてようやくここから本題です。
まず大阪大会終了後のリング上での棚橋選手のマイク発言です。
棚橋「棚橋と内藤、1年前では・・・1年前とは立場が逆転したな。けどな、内藤。世界に悪が栄えたためしはない(※大拍手)。俺が歩く道は、東京ドームに続いてる(※大拍手)。棚橋になれなかった男、内藤(※大拍手)。皮肉なモンだけどなぁ。内藤、お前が、俺の最後の希望だ。インターコンチを懸けて、東京ドームで勝負しよう(※大拍手)」
次にバックステージでの棚橋選手のコメントです。
棚橋「(※両手で)今のとこ、イーブンだね。何が正義で、何が悪か、これはね、実は一言では語れないんですよ。けど、BULLET CLUB、CHAOS、ロスインゴ、なんだろう……ファンのみんなが裏の裏を読み過ぎてて、なんでそれが面白いかって言ったら、正義がしっかりしてるから、本隊がしっかりしてるから、いろんな裏切りがあったら、いろんなものが際立ってくる。いろいろやり過ぎちゃっても、面白くないじゃん。やっぱり、水戸黄門の印籠、金さんの桜吹雪、棚橋の愛してます、これでしょ(※コメントブースを去ろうとするが、振り返って)ちょっと言い過ぎたかな。『棚橋になれなかった男、内藤』なりたかったかどうかは、わかりませんけどね」
お分かりいただけたでしょうか?
赤字が工程①を、青字が工程②を表しています。言葉が少し弱い気もしますが、それでも棚橋選手は自らが編み出した棚橋流『一撃必殺式謝罪型圧殺法』を忠実に実行していることがわかります。
今回の会見が大阪大会と地続きと考えれば、今回の会見で工程③を実行するはずでした。しかし、そうはうまくいきませんでした。
②内藤哲也が生み出した対抗法とは?
内藤選手は内心焦っていたのではないでしょうか?
棚橋選手が編み出した棚橋流『一撃必殺式謝罪型圧殺法』の破壊力を熟知ししているのが他ならぬ内藤哲也選手です。おそらくトランキーロ化以前の内藤選手なら、棚橋選手の前に完膚なきまでに叩き潰されていたでしょう。
しかし、内藤選手は今回の会見で棚橋選手に正々堂々立ち向かいます。棚橋選手が売ってきた喧嘩です。買わないワケにはいかんのです。舐められたら終わりですからね。
内藤哲也選手はいつになく気合いが入っていました。左の手の平にメモを含ませながら会見に挑みます。
トランキーロ以後、内藤哲也選手は新しい喧嘩殺法を編み出しました。それが、内藤流『質問式ファン擬態法』です。
自分がファンの代弁者となることで相手に内藤哲也というレスラーと対峙しているのではなく、ファンの代表者と直接対峙しているという図式に落とし込むわけです。
さらに内藤選手はファンから正論を言っていると思わせることでファンに擬態し、『ファンvs相手』の図式を作り上げるという方法をとるようになりました。
トランキーロ以後、内藤選手の発言に特徴が現れました。それは『自ら疑問を提示し、自らその疑問に回答する』というコトです。
内藤選手は対峙する相手を無視し、直接ファンに質問を投げかけます。そして、ファンが答えるであろう回答を推測し、内藤選手がその推測した回答を直接相手に投げかけるという方法です。
ファンを経由していた上で相手に言葉を投げかけるカタチとることで、内藤選手はあたかもファンの代表のように振舞えるということです。こうすることで内藤選手はファンに擬態し、相手はあたかもファンと直接やり合っているかのように思わせるわけです。
今回の会見でもその特徴が随所に現れています。しかし、これを実際に行うには高度に発達したプロレス脳が必要になります。ファンの立ち位置を確認しながらファンの代弁者をやり続けるのはかなり高度なテクニックを必要とされる行いです。
しかも棚橋選手も喧嘩の達人です。少しでも油断すればやり込められるのはわかり切っています。内藤選手はファンに擬態しながら相手の触れて欲しくない場所、返答しづらいポイントを突き続けなくてはなりません。今回の会見で内藤選手はこのことをやり切りました。喧嘩の達人棚橋弘至にきっちりトドメを刺したわけです。
今回の会見は内藤哲也選手の圧勝でした。これは棚橋弘至が編み出した無敵の喧嘩殺法を内藤哲也が新たに編み出した喧嘩殺法によって打ち破った会見とも言えます。しかし、内藤選手が編み出した内藤流『質問式ファン擬態法』ですが、まだまだ未知数なトコロがあります。内藤流『質問式ファン擬態法』がどこまで通じるのか?まだまだ目が離せませんな!
小ネタ
新日本プロレスG1クライマックス町田大会、SANADAの試合後コメント。
— mmt (@bodyslam0212) 2016年7月26日
その姿はSANADAでもCOLD SKULLでもない、ありのままの真田聖也。#njpw #G126 #samurainews #オカダvsSANADA pic.twitter.com/qqKt6G7e9i
2009年7月31日CMLLインフィエルノ・エン・エル・リング
— mmt (@bodyslam0212) 2016年5月28日
(ダイジェスト)https://t.co/cegsjgNxwM#njpw #cmll #LOSINGOBERNABLESdeJAPON pic.twitter.com/x3DLzt24lo
どーでもいいですけど、内藤選手はシンゴジラの第二形態みたいな顔するときあるよね。
LINEブロックとかしていると、悪魔の仕返しが待っている。#飯伏プロレス研究所 #人でなしドライバー pic.twitter.com/SKRm8W7LdN
— mmt (@bodyslam0212) 2016年4月26日
2011年11月大阪 中邑と内藤バックステージの乱闘。その時の様子がこちらhttps://t.co/GqqLOZ7XJIより#njpw #njdontaku #njpwworld #samuraitv pic.twitter.com/1CI7YFtHSJ
— mmt (@bodyslam0212) 2016年4月23日