第102試合:生きることは生き残ることじゃない

www.youtube.com

 

生きることは生き残ることじゃない

 

僕が今よりずっと若かったころ、この一文を読んで心にグッと来るものがありました。出典はよく覚えてないんですが、どうやら学生運動やってるフランス人学生が言った言葉だそうです。

生きるコトは生き続けるコト、『生=生』のようなトートロジーに満足できない僕の心を鷲掴みにしたんですな。『~~の為に生きる』みたいな生に意義を求め続けていた僕はこの一文に随分考えさせられましたよ。正義の為に、芸術の為に、あるいは神の為に生きる、いいですよね、生の意義を見出した人は羨ましいです。

それから随分時間が経ちました。27クラブってのがあります。27歳で早逝したミュージシャン、アーティストって凄く多いんですよね、それを総称して『The 27 Club』と呼んでるんですな。ミュージシャンが特に多くて、ジム・モリソン、ブライアン・ジョーンズカート・コバーンなんかも『The 27 Club』の一員ですな。

『神に愛せらるる者は夭折す』じゃないですけども、早死するのがかっこいいなんて思っていた時期もありましたよ。

有名アーティストになって若くして死ぬのが美しいと思ってましたよ、老醜を晒す前にかっこよく芸術的に死ねればいいと思ってました。まあ、僕はとっくに27歳を超えてしまったんですけども……。

しかし、別に、有名ミュージシャンが全員早死ってワケでもありません。むしろ、なんでコイツまだ生きてるんだろ?と疑問に思うミュージシャンも結構います。その代表格がイギーポップ御大でしょう。この人は普通に考えれば死んでてもおかしくないんですが、生きてます。

もはや化石ジャンルとなったパンクロック、そのパンクロックのゴッドファザーと呼ばれるのが我らがイギーポップです。僕は今でもお茶目に活躍しているイギーポップを見るにつけ、さすがパンクのゴッドファザーだぜ!と思うんですよ。

クスリのやり過ぎであっさり死んだシドに比べてクソ長生きしてるイギーポップ。『神に愛せらるる者は夭折す』とは正反対の生き様です。もっともパンクな死に方は老衰ってことでしょう。さすがパンクのゴッドファザーです、パンクの本質を理解している!

僕も随分長く生きてきたから、若い頃に比べてずいぶんと心境も変化しましたよ。結局、生きてるコトが一番かっこいいんですよ。4発銃弾喰らって死んだ2PACより9発喰らって元気に自己破産してる50セントのがかっこいいですよ。

今、僕は思うんですよ、神に愛されて夭折する者より、神に憎まれ生きる者の方がずっとかっこいい生き方じゃないかと。ミルトンの失楽園じゃないですが、神に挑戦するルシファーに魅かれるのと同じですかね。

僕も年を取ったと思います。『生きることは生き残ることじゃない』と思っていた僕が今じゃ『生き残ることに必死』なんですからね、皮肉なモンです。僕は神に愛されてないんでしょうなぁ……。